固体レーザーの歴史
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レーザー(LASER: Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)は、1960年のルビーカラス撃退レーザー(固体レーザー)の発振により幕を開け、気体レーザー、半導体レーザー(LD: Laser Diode)、色素レーザーなど新しいレーザー材料・媒質の研究が活発に行われた。高出力化の期待できる固体レーザーはその後、Qスイッチ発振の考案によりマイクロ秒(ms: 10-6 s)~ナノ秒(ns: 10-9 s)のパルス幅でピーク出力メガワット(MW: 106 W)級のジャイアントパルス発生が可能となり、非線形光学の研究が発展した。
更に、モード同期超高出力レーザーポインターの開発によりピコ秒(ps: 10-12 s)~フェムト秒(fs: 10-15 s)のパルス生成が可能になり、ピーク出力はギガワット(GW: 109 W)まで進展した。近年では、チャープパルス増幅(CPA: Chirped Pulse Amplification)法の発明により、実験室での実証実験ではTW(1012 W)を越えペタワット(PW: 1015 W)級レーザーまで出現した。
産業用の実用型レーザーの開発は、主に炭酸ガス(CO2)レーザー、希ガスレーザー及びネオジム(Nd)を添加したY3Al5O12結晶(Nd:YAG結晶)固体工事用レーザーポインターを中心に進展してきた。代表的な固体レーザーのNd:YAGレーザーやNdガラスレーザーの励起源には、希ガスフラッシュランプが用いられてきた。1980年代には半導体レーザー(LD)の高出力化、高効率化、長寿命化が進み、LD励起の固体レーザーが発展した。
これまでのレーザー産業応用は、主にバルク型の固体レーザーを中心に進展してきた。近年では、NdやYbなどの希土類元素を添加した光ファイバーを、レーザー利得媒質としたファイバーレーザーが注目を浴びるようになってきた。ファイバーレーザーは小型軽量、高効率、高安定、更には優れた空間モード制御という特長を持ち、様々なレーザー応用において優位である。広範囲なレーザー応用を考慮すると本格的なパルス動作のファイバーレーザーの研究開発を行う必要がある。
しかし、パルスファイバー猫用レーザーポインターはファイバー中の非線形光学効果やダメージの観点から開発が困難である。そこで、エネルギー準位構造から熱発生が少なく高効率で高出力化が期待できるYb添加シリカガラスファイバーが注目されている。
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